「アミノ酸の科学」どこかで聞いたことのあるフレーズですが、某有名食品メーカーが開発したワンちゃん用健康食品のお話です。
先日の学会で伺ってきた話です。アミノ酸はタンパク質の構成成分です。グルタミン酸とかアルギニンとか聞いたことがあると思いますが20種類あります。それらのいくつかを組み合わせて摂取すると健康維持に役立つことが実験 や臨床試験でわかってきました。
BCAAというアミノ酸群とグルタミンというアミノ酸の組み合わせは皮膚のコラーゲンを作る力を引き出すことができます。ワンちゃんでの実際の使用例ではアトピー性皮膚炎でステロイドを使いすぎて皮膚の薄くなった子の皮膚の弾力性の改善と発毛が見られていました。発表されていた症例の多くは毛が抜けてその部分の皮膚の弾力が無く、老人の皮膚のようになっているものでした。高齢で全体的に毛が薄くなっている子に効果があるかもしれません。私も飲んでみようかな笑
シスチンとテアニンの組み合わせです。この組み合わせを摂取した人での報告では栄養状態の落ちている高齢者のインフルエンザワクチンの効きが良くなっています。またこれらを接種している人は風邪を引いた時、悪寒や発熱などの症状が出にくいという結果が出ていました。動物実験ではありますが、皮膚炎を軽くするというデーターもありました。この組み合わせでアミノ酸を摂取すると体内でグルタチオンというものが作られます。このグルタチオンは抗酸化作用や、細胞内の解毒などの働きをしています。じゃあグルタチオンのサプリを飲めばいいじゃない?と思われるでしょうが、体内で作られたグルタチオンしか効果が無いようなのです。また、テアニンは体内でエチルアミンという成分を作り出し、これが免疫反応を強める働きをしています。ですからこの2つのアミノ酸を摂取することが大切なのです。ちなみにシスチンは肉類に多く含まれており、テアニンはお茶のうま味成分です。
ロイシンを中心に9種類のアミノ酸が筋肉の蛋白合成を促進させます。高齢でよろよろ歩き、腰が下がってきたなどの症状がある子に効果があるかもしれません。
栄養学はとても大事だと思います。また、何かトピックスがありましたらブログに書かせていただきます。